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2017年06月15日

「こればっかりは…」

「こればっかりは どうすることも出来ん……今は我慢するしかない」

MRの結果を見せられ、私からはそれ以上の言葉は出なかった。



3月下旬…春大初戦数日前

試合本番を想定したテスト登板で7回から無失点に抑え、大会登板の切符を手にした。

しかし その夜…寮から電話があった。

「腰が痛いから、痛み止持ってきて」

嫌な予感が…

本番3日前の練習試合の日、痛み止を持って練習試合を見にグラウンドへ

大会を想定して、次男の登板は7回から…

投球練習から、痛そうにしていた。

案の定、スピードも変化球のきれもない。

3回を最小失点に抑えるも、状態は良くない。

試合後、「病院に行きたい」と…

日曜日に診てくれる病院は無く…いろいろあたってはみたが診察してくれるところは見付からなかった。

最後に大学の後輩がカイロプラクティックをやっているのを思いだし、連絡。

快く引き受けてくれた。

2試合目が始まるころ、富士にある後輩の自宅へ向かい、早速施術してもらった。


その日のミーティングの時、背番号を配ることになっていた。

勿論、背番号剥奪であった。

早く治せば、県大会には間に合う……

そうポジティブに考えていたが、その後ドン底へ落とされる事になる。

行きつけの地元の治療院に数回通い、直ぐに治してくれと頼んだが、そんなに上手くいくはずもなく……


4月初旬……

数日してバットも振れるようになり、いよいよ投球練習を開始したとき、ボールは上方へ抜けていった。

腰に激痛が走る


数日後、今後通院すること考え、学校近くのスポーツ専門病院を探し、レントゲンとMRを撮った。

診察の結果は……腰椎疲労骨折ガーン

全治3ヵ月以上


真っ先に考えたのが「夏の選手権大会」

病院の先生からは「まだ2年生だからしっかり治そう」と言われた。

ショックではあったが、これが来年じゃなくて良かったと思った。




今回は腰椎疲労骨折の落とし穴にはまった。

本来、骨折なので骨から痛みが発すると思いきや、筋肉(横っ腹)に痛みが出る。

そのため、筋肉の炎症と思い、休んでいればそのうち治ると思ってしまう。

ここに落とし穴がある。

実は、骨折した骨が筋肉を刺激することで痛みが発していると言われている。

そのため、症状を見落とし繰り返すことで症状が悪化し、分離症やすべり症に発展してしまう。

すべり症になると完治は難しくなるので一生付き合わなくてはいけなくなるという。

腰は体の中で最も重要な個所のひとつなので、決して甘く見てはいけない。

痛みを感じたら、早期に治療や検査をすることをお勧めします。

特に負担の掛かる、中高校生の運動部の子は注意してほしい。




それから、胸まであるコルセットを毎日身に付け生活した。

野球も出来ず……我慢するしかなかった。

私は夏も厳しいと思っていたが、次男は夏を目標にしていた。

そう……我慢する自分に言い聞かせ……3ヶ月後のMR撮影に向けて、気持ちを抑えるように……

週2日、リハビリに通い、仲間が練習している時も雑用にまわった。


自分の居場所を探し、我慢の日々。

私には、ただ見守ることしか出来ない。

今は治療に専念するように……今はお前の出番の時期じゃないと神が言っていると自分に言い聞かせ……

実際、神なんか居ないのに……


毎日思うことと言えば

寮で自分の居場所はあるのか……?

無理して練習していないだろうか……?

ストレスで人に当たってはいないか……?

そんな事ばかり考える日々だった。



コルセットを着けはじめ3ヶ月が経った6月中旬、チームは夏大に向けて最終調整に入っていた。

そんな中、いよいよ3ヶ月間我慢した結果が現れる診察の日。


診察には私も同席した。


そして……

MR画像を見せられて……愕然とした。。

その時、次男の顔がみれなかった。

でも、想像出来た。


次男は完治していると期待……いや思い込んでいたから……


病院の先生からは「まだ亀裂が完全に着いていないので、1ヶ月後もう一度MR撮りましょう」 と言われた。


この時点で、夏のベンチ入りは完全に消滅した。


「夏は自分達の時代じゃないから……秋大に間に合うようにしっかり治療しよう。」

「ここで我慢出来ないと、今まで我慢してきたことが無駄になる」

「あと1ヶ月我慢しよう。今お前がやることは……野球を我慢することだ」

「今必要なことは、夏大でベンチに入る事じゃないということだよ」

寮までの車内で言い聞かせた……

ただ……返事は重かった。。


「3ヶ月間必死に我慢したのに……まだ我慢しろと……」

次男の気持ちは痛いほど分かる。

出来ることなら、私の腰椎と換えてやりたい……


辛いと思う……よく分かる……

でも……ここで我慢出来なかったら……

来年……いや……もっと早く再発する。

最悪、来年の夏大も出られないかも知れない……

そうなったら……今の比ではないぐらい、次男も私も妻も辛い事になる。

3ヶ月我慢したんだから1ヶ月なんてあっという間だよ……と言い聞かせるが……

次男からしたら長いに決まっている。


こんなに休んだこと無いし……不安で仕方ないだろう。

下級生も入り焦る気持ちも分かるし……


ただ…ひとつだけ「プラス」にとらえる事が出来る……

それは……消耗品と考える肩を使っていないということ。

みんなが肩を酷使しているとき、次男は全く使っていない。

使わない事による弊害もあるかもしれないが、逆にこの休養はありがたいとみる。


そう思わないとやっていられない……


次の診察までに出来る事を必死にやろう❗

骨の成長を助けるサプリメントなど……いいと思われる事はすべてやっておこう

後悔しないために……


一番辛いのは次男だって分かっているから……


「こればっかりは どうすることも出来ん……今は我慢するしかない」


焦らず……

自分を信じて……

未来をしっかり見て……


我慢して完治した、その先に・・・・・・・・

何があるのか・・・・その光景を一緒に見てみたい!!


今は己を信じ、我慢という試練と向き合う野球


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Posted by ケロロ少佐 at 19:55│Comments(0)高校野球
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